金継ぎに使用する材料

金継ぎの材料と方法について一部ですが簡単にご紹介いたします。

下地に使う漆と下地粉、ヘラ、筆です。
筆は猫の毛の筆、時には鼠の毛を
使用します。鼠の毛の筆はとても希少で
入手困難です。このような貴重な材料を作る
職人さんに伝統工芸は支えられています。

蒔絵に使う金粉と道具です。左下から
粉筒、(ふんづつ)、毛棒(けぼう)といいます、
毛棒はイタチの毛です。金粉を払うのに使用。
粉筒は小さな、ふるいみたいな物で、金粉を入れて、
指をはじいて金を蒔くのに使用します。
金を蒔いて描く絵。なので「蒔絵」まきえと言います。


@下地漆です。漆は空気に触れると
黒く変色します。
A漆と小麦粉を混ぜると粘りが出ます。
これを麦漆と言って、接着剤になります。


B割れた陶器の断面に、ヘラを使い糊漆を付けます。
壊れ方によっては、強度の優先の為、断面にミゾを彫ったり、
陶磁器用の接着剤を使用する時もあります。


C縛りつけて圧着します。
ずれないように、上手く着けるには
ちょっとした技が必要です。
D漆は適度な湿度と温度によって硬化します。
2週間程したら丈夫につきます。


Eヒビにそって下地、下塗り、中塗り等5,6回は
塗って、ヒビの線を形良く整えていきます。作業の
8割はこのような地道な下地仕事です。


Fほこりがつかないよう注意して金粉を蒔き付けます。
今回は毛棒を使用しました。
時には専用の粉筒を使用します。

蒔いているのは、金消し粉という金粉の中で最も細かい金粉です。


省略した部分もございましたが、完成写真です。
ちなみに粉を蒔いた後はさらに漆を薄く2、3回塗り、
金粉を丈夫にします。
また、金粉を炭を使って丁寧に研いだり、磨く事をします。

以上のような工程で出来上がります。 完成には最低でも一ヶ月はかかります