その他色々な修理  

柴山細工1
     

柴山細工その2




つもり積もって、たくさんの修理をさせていただきました。
まだまだ、漆の道は奥深く、終わりがないのですが
今まで手がけさせていただいた一例や記録です。

これが漆なのか。。。と思わずうなってしまうものもあります。
休み休みご参考までにご覧ください

修理はどれをとっても一つ一つ状態が違います。
毎回思うように作業が進むことは、まれで試行錯誤しながら進めます。


こちらは、芝山細工という、とても凝った技法の蒔絵です。
江戸時代の飾り箱です
福笑いをされているようですが、背景の金蒔絵(金地という)
が擦れて、はがれておりますので修復します。

どのように直すか、念入りに計画を立てます。。



芝山細工は、夜光貝、アワビ貝、黒蝶貝、白蝶貝、など様々な、材料を小さく切り、
それらを組み合わせて、漆の表面に埋め込むという、技法です。

・背景の金地を蒔絵し直す為に、埋め込んでいる芝山細工を一度、外します。
また同時に欠けている、芝山細工のパーツを再度作り直したりします。


組み合わせると、一つの絵になりますが、とても立体的で、色とりどりの組み合わせになります。
バラバラに取り外すと、驚くほど、のパーツの多さと細かさです。
一つ一つ100年以上前の昔の職人さんが、作り上げた美術工芸品です。
外したパーツを位置がわかるように、慎重に置いておきます。




福笑いの、おかめさんは、透かしの色付けがされていました
ばらばらにしたパーツをもう一度はめ込んで位置や、金地を確認。





下塗りをします



凹凸や、漆下地が欠けているところ等を、綺麗にするために5,6回中塗りや、下地調整をします
それらが終わった後、再び芝山細工を埋めなおしますが、
金地を蒔きなおしているために、きつくなっています。
元の位置に簡単には、はまりません。
彫刻等など刃物をを駆使して、少しずつ削って埋め込んでいきます。

もし削りすぎると、、金地のやり直しです。。
やり直す手間は仕方ないのですが、希少な金粉ですので、
非常にもったいない事になります。
そうならない為にも慎重かつ大胆に埋めていきます。



背景の金地を蒔きなおし、着物のすそが欠けていたので作り直し、再び埋めなおして完了です。
人物の顔の大きさは約3ミリ程です。

こちらの修理は約7〜8万円です。



柴山細工その2

漆工芸修復top