2018年   柴山細工の櫛修復


柴山細工の櫛修復をご依頼頂きました。


珊瑚の柴山細工です。写真で見る以上に櫛や柴山細工の厚みがあり、控えめな柄の中に力強さがあります。
ご依頼者様によると明治時代のだと思われます。

柴山細工が一部欠損、長年の金地の擦れ等がございましたので全体修復と、柴山細工の復元になります。


修理前

                                           修理前拡大



まずは慎重にパーツを外し、欠けている材料を吟味します
珊瑚は貝と違い、硬いのに、もろい部分もありとても削りにくい材料で、注意を払います。

柴山細工制作中
元の跡の通りに削ります。色味や形を合わせるのは
非常に日数のかかる作業です。
5ミリほどのパーツに柴山細工の修理はたくさんの道具類を駆使します。

金地の直し途中です。
凹凸や傷を少しづつ整えます。

中塗りをかけます。

中塗


いくつもの工程を経て、金を蒔きます、
ご依頼者さまの意向で歯の部分と金地の境部分をぼかしのグラデーションにします。
意図を汲んで出来る限りオリジナルの雰囲気を尊重しつつ、
自然になるように仕上げます。

パーツの補完完了です。
写真のほかひし形のパーツも補完しています。
仕上です。可能な限り綺麗にします。

ご依頼者様の思いがあってこその修復です。

綺麗になったらやはり、残るものと思います。

昔の技法や工芸が残せるように、、感謝です。